マンションの部屋をリフォームする場合の相場はいくら?
マンションをリフォームする際、気になるのは実際にどれくらいの費用がかかるのかという点です。部分的な改修であれば数万円から、全面的なリフォームになると1,500万円程度まで、工事の内容によって金額は大きく変わります。最も多い価格帯は50万円から100万円の範囲で、この予算では水回り設備の交換や壁紙の張り替え、間仕切り壁の追加などが可能です。
マンションのリフォームを計画する前に知っておきたいのが、工事できる範囲の違いです。一戸建てと違い、マンションには「専有部」と「共用部」があり、自由にリフォームできるのは専有部のみになります。この点を理解しておかないと、計画段階でつまずいてしまうこともあるでしょう。
部位別のリフォーム費用内訳
マンションのリフォームでは、水回りと内装の工事が中心となります。それぞれの箇所でどの程度の費用がかかるのか、具体的に見ていきます。
水回り設備の交換にかかる費用
キッチン、浴室、トイレ、洗面所といった水回りは、日常生活で頻繁に使う場所です。経年劣化も早いため、10年から20年程度で交換を検討する時期がやってきます。
| 箇所 | 費用相場 |
|---|---|
| システムキッチン | 50万円~150万円 |
| 浴室 | 50万円~150万円 |
| トイレ | 15万円~50万円 |
| 洗面所 | 10万円~50万円 |
水回り設備は単体で交換するよりも、複数箇所をまとめて工事したほうが費用を抑えられます。業者によっては水回り3点セットや4点セットといったパック料金を用意している場合もあり、別々に依頼するより割安になるでしょう。ただし設備のグレードやオプションを追加すると、10万円単位で金額が上がっていくため注意が必要です。
内装の張り替え費用
壁紙や床材は、住まいの雰囲気を左右する大切な要素です。経年による汚れや傷みが目立ってきたら、張り替えを検討するタイミングといえます。
壁紙の張り替えは、6畳の部屋で3万円から8万円程度が相場です。一方、床のフローリング交換は同じ広さで6万円から18万円ほどかかります。マンションの床材を選ぶ際に忘れてはいけないのが、管理規約で定められた防音性能の基準です。階下への音を防ぐため、一定の防音等級を満たす床材を使わなければなりません。
複合フローリングであれば基準を満たす製品が多く販売されていますが、無垢フローリングを希望する場合は遮音性のある下地材の施工費も必要になります。床材選びの際は、見た目や質感だけでなく、管理規約に適合しているかも確認しましょう。
間取り変更にかかる費用
家族構成の変化やライフスタイルに合わせて、間取りを見直したいと考える方も多いでしょう。間取り変更の費用は工事の規模によって大きく異なり、40万円から300万円程度が目安となります。
間仕切り壁を1箇所撤去するだけなら7万円から23万円程度ですが、複数の部屋をつなげて広いリビングにする場合は、壁の撤去に加えて周辺の内装補修や電気配線の移設なども必要になります。こうした大規模な工事では、費用が数百万円に達することもあるでしょう。
マンション特有の制約を理解する
マンションのリフォームで最も注意すべき点は、工事できる範囲に制限があることです。一戸建てと違い、マンションには個人で自由にリフォームできる「専有部」と、管理組合が管理する「共用部」が明確に分かれています。
専有部と共用部の違い
専有部とは、窓の内側から玄関の内側までの居住空間を指します。この範囲であれば、壁紙の張り替えや水回り設備の交換、間仕切り壁の撤去といった工事が可能です。玄関ドアも室内側であれば専有部とされるため、内側の塗装やシート貼りなどは認められます。
一方、共用部には手を加えられません。エレベーターや廊下はもちろん、玄関ドアの外側、窓枠、窓ガラス、ベランダなどが該当します。ベランダは普段自分だけが使っているスペースでも共用部とされるのは、避難経路としての役割やマンション全体の景観に関わるためです。詳しくは三井のリフォームの記事で解説されています。
間取り変更や水回り移動の制約
専有部であっても、すべての工事が自由にできるわけではありません。特に間取り変更や水回り設備の移動には制約があります。
- 壁式構造のマンションでは、建物を支える壁を撤去できない
- 排水管を移動できるスペースに限りがあり、水回り設備の配置に制限がある
- 床材は管理規約で定められた防音性能を満たす必要がある
理想の間取りを実現できるかどうかは、マンションの構造や配管の位置によって変わります。工事の可否については、現地調査の際にリフォーム業者へ相談するとよいでしょう。また、専有部の工事であっても管理組合への事前申請が必要な場合がほとんどです。工事の1か月前までに届出を済ませるよう定められていることが多いため、余裕を持って計画を進めましょう。
リフォーム費用を抑える工夫
限られた予算の中で満足のいくリフォームを実現するには、費用を抑える工夫が大切です。無理に安さだけを追求するのではなく、優先順位をつけながら賢く計画を立てましょう。
複数箇所をまとめて工事する
水回り設備を別々のタイミングで交換するより、一度にまとめて工事したほうが費用を抑えられます。養生や廃材処分といった共通する作業を一度で済ませられるため、総額が安くなるのです。
また、壁紙や床の張り替えも部屋単位ではなく、家全体で一度に実施することで効率が上がります。リフォーム業者によっては水回りセット料金を用意している場合もあるので、見積もり時に確認してみましょう。
設備のグレードを見直す
キッチンや浴室などの設備は、グレードによって価格が大きく変わります。最新の高機能モデルは魅力的ですが、本当に必要な機能を見極めることが大切です。毎日使う部分の使いやすさは重視しつつ、あまり使わない機能は省くという選択もあるでしょう。
リフォーム業者が普段から扱っているメーカーの製品を選ぶと、仕入れ価格が抑えられて工事費も安くなる場合があります。特定のメーカーにこだわりがなければ、業者におすすめを聞いてみるのも一つの方法です。
複数の業者から見積もりを取る
同じ工事内容でも、業者によって見積額は変わります。3社以上から見積もりを取って比較することで、適正価格の目安が分かるでしょう。ただし金額だけで判断するのは避け、提案内容や保証、担当者の対応なども総合的に検討することが大切です。
マンションリフォームの経験が豊富な業者であれば、管理規約に沿った提案や、ご近所への配慮なども適切に対応してくれるでしょう。安心して任せられる業者を選ぶことが、結果的に満足度の高いリフォームにつながります。
快適な住まいを実現するために
マンションのリフォームは、専有部と共用部の違いや管理規約といった制約を理解した上で計画を進める必要があります。費用面だけでなく、工事できる範囲や必要な手続きについても事前に把握しておくことで、スムーズに工事を進められるでしょう。
水回り設備の交換から全面的な改修まで、リフォームの内容によって費用は大きく変わります。予算の範囲内で優先すべき工事を見極め、マンションリフォームに詳しい業者へ相談しながら計画を立てることをおすすめします。住み慣れたマンションが、より快適で暮らしやすい空間に生まれ変わるはずです。